革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金(ものづくり補助金)とは?

ものづくりとは?補助金中小企業・小規模事業者を支援する補助金です。
国際的な情勢の変化に対応するため、中小企業・小規模事業者が、経営力向上に資する「革新的サービス開発や、試作品開発、生産プロセスの改善」などを行うための設備投資などの一部を支援する補助金です。
通称で「ものづくり補助金」と呼ばれています。
認定支援機関(※1)と連携して事業を行います。

※1 認定支援機関とは?
平成 24 年に施行された「中小企業経営力強化支援法」で、経営革新等支援機関を認定する制度が創設しました。
企業についての専門的知識や支援の実務経験が一定レベル以上の組織や個人(税理士、公認会計士、弁護士など)を、国が「認定経営革新等支援機関」として認定しています。

「ものづくり補助金」の仕組み

ものづくり補助金は、国の予算のよって運営されています。
経済産業省の管轄で、全国中小企業団体中央会が事務局を受託し独立行政法人中小基盤整備機構と協力して運営しています。
各都道府県の中小企業団体中央会が問い合わせ窓口です。
ミラサポ
出典元 経済産業省中小企業庁の支援ポータルサイト「ミラサポ」

申請方法は申請書化電子申請

提出先は、書面であれば、各都道府県の中小企業団体中央会です。
電子申請であれば、経済産業省中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」から可能です。

ものづくり補助金の採択状況

平成 27 年度は 24,011 件の申請があり、7,729 件を採択されています。
助成金と言うと、申請が面倒なイメージがありますが、これだけの申請があり採択されています。
面倒なイメージでも、一度、要点を踏まえてしまうと、ほかの補助金に応用できる事務手続きです。
さらに、今後の事業や書類の作成方法の工夫次第で、次の募集の機会に応募できますので、トライしてみてはどうでしょうか。

ものづくり補助金の事業の類型「一般型」「小規模型」「第四次産業革命型」の違い

一般型:補助上限 1,000 万円、補助率 2/3
中小企業等が行う革新的な「サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」に必要な設備投資などを支援します。要件(※2)を確認してください。

小規模型:補助上限 500 万円、補助率 2/3
小規模な額で行う革新的な「サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」に必要な設備投資などを支援します。要件(※2)を確認してください。

サービス・ものづくり 高度生産性向上型(第四次産業革命型):補助上限 3,000 万円、補助率 2/3
IoT・AI・ロボットを活用する革新的な「サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」に必要な設備投資などを支援します。
第四次産業革命型の要件は、通常の要件(※2)に加え、IoT などの技術投資を行い、投資利益率 5%を実現する計画が必要です。

【要件 (※2)】
◆ものづくり分野の要件は、中小ものづくり高度化法の 12 分野の技術(※3)を活用すること。
◆サービス分野の要件は、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン(※4)」に示された方法で実施すること。
さらに、3 年から 5 年の計画で付加価値額が年率 3%で、経常利益が年率 1%向上すること。

※3 デザイン、情報処理、精密加工、製造環境、接合・実装、立体造形、表面処理、機械制御、複合・新機能材料、材料製造プロセス、バイオ、測定計測などです。
経済産業省のホームページでご確認ください。

※4 ガイドラインには、「付加価値の向上」と「効率性の向上」の 2 つに大別されています。「付加価値の向上」には、「新規顧客層への展開」「商圏の拡大」「独自性・独創性の発揮」
「ブランド力の強化」「顧客満足度の向上」「価値や品質の見える化」「機能分化・連携」「IT利活用」があります。「効率性の向上」には、「サービス提供プロセスの改善」「IT 利活用」が挙げられ、横断的課題として人づくりと環境づくりがあります。経済産業省のホームペー
ジで確認してください。

対象になる「中小企業者」とは?

「日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者」本事業における「中小企業者の定義」

  • ものづくり分野:「中小企業のものづくり基盤技術 の高度化に関する法律」第 2 条第 1 項、
  • サービス分野:「中小企業等経営強化法」第 2 条第 1 項に規定する者

※ みなし大企業も除きます。

各法で確認してください。たとえば、中小企業製造業で資本金 3 億円以下、従業員 300 人以下、サービス業で資本金 5 千万円以下従業員 100 人以下など、卸売業や小売業、政令指定業種によって規定があります。

採択されるためには、おさえるべき「補助金の意図」とは?

要領では「国際的な経済社会情勢の変化に対応し、足腰の強い経済を構築するため、経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を支援」とあります。
「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」という命名の由縁でもあると言えるでしょう。
立ち上がって年数が経過しているので、ぜひ申請に踏み切ってみませんか。
補助金や助成金は身近になってきています。

「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」というマンガをご存知でしょうか。
ドラゴン桜で有名な三田紀房氏のマンガです。
転職市場の実態が紹介された内容です。
不況のときほど、国は助成金や補助金をだして、起業をバックアップするという旨の話題があります。
企業の活躍が今後の日本の将来を助ける存在としてみなしています。
今後のビジネスを有利にし、日本の進展に寄与するために、補助金や助成金を有効活用してみませんか。

経済産業省中小企庁ホームページ

採択された企業の例(業種など)

  • 水産加工会社「液体急速凍結機と冷風乾燥機」で学校給食などに販路拡大
  • 食品会社「独自の介護食」で、全国の高齢者や障害者の施設に展開
  • 造船業「アルミ漁船とシステム導入」被災経験をもとに環境にやさしい船を展開
  • ソフトウェア業「PDF に声と手書きを加えられるソフト」教育や行政、海外への販路展開

経済産業省中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」では、多くの事例が紹介されています。動画や写真付きで紹介され、勢いある企業のすがたを知ることができます。

革新性の切り口などは、自社の事業を説明するうえで、強みを表現するための参考になるはずです。

補助金の申請のコツとは?

補助金の「5つの当たり前」をおさえて、採択率をあげる

1 それぞれ異なる「補助金の目的・仕組み」
補助金や助成金は、国、都道府県、市区町村や外郭団体、ときには民間機関で実施されています。
時代や現状に即した目的で行われるため、行政であれば、予算要求し議決を経て実施されます。
自分の企業の事業と合致できる補助金や助成金をみつけることが重要です。

2 それぞれ異なる「助成額」
補助金や助成金の助成額はそれぞれです。大抵は、一部が助成されるが、すべての経費が交付される訳ではありません。
補助率や助成率と言われます。
事業経費の 1/3 や 2/3、半分というケースが多いです。
補助金や助成金の趣旨や予算規模など、複合的にあらかじめ決められています。
補助額も、数千万というケースから数万円と幅があります。

3 それぞれ異なる「補助金の審査基準」
補助金や助成金の採択には、行政のみならず、各分野の専門家による審査委員会などが設置され公平に行われます。
審査の方式も、数値化するなど、健全な審査が行われるように考慮され行われます。
「事業の有効性、先駆性」などの経営的な視点のみならず、「公金の支出先として、健全かどうか」という行政の視点や、多角的に検討されます。申請書類を作成する際には、的確な表現でPRできるようにしましょう。

4 補助金は、「精算払い(後払い)」
補助金や助成金の多くが国や自治体の予算で実施されています。
公金の支出として円満に行われるように、支出に関する検査を経て、適正な処理をしているのを確認してから補助にいたります。
採択されたら、もう一度、要領を確認し、適正な支出をしましょう。
不明な点は、運営機関に問い合わせしてもいいかもしれません。

5 事業実施後に「検査」がある
補助金や助成金の多くが、貴重な税金で運営されているため、検査を通ってからの補助になります。
公金の支出には、必ず「検査」が付きものです。行政職員でも、自分の事務を常にチェックされながら業務を遂行します。
トラブルを未然に防ぐことができます。各事業の要領の範囲で処理を行っていれば、問題ありません。

補助金を受けるまでの流れ

補助金や助成金を受けるまでに、「申請」からはじまりますが、採択後の手続きや実施後の
報告があります。

  1. 企業からの申請

    電子申請か書類での申請で期日までに行います。

  2. 事務局の審査・採択決定

    書類をもとに審査が行われ、採択が決まると通知が届きます。

  3. 企業からの交付申請

    ニュアンスは、「進めてください」という感じです。

  4. 事務局からの交付決定

    「交付決定」の通知が届きます。契約締結の意味に近いです。

  5. 事業の実施~終了

    採択された事業計画にもとづき、事業を行います。

  6. 企業から報告書の提出

    様式に基づき作成します。提出しないと交付されません。

  7. 事務局による検査・金額の確定

    報告書の提出を受けて、正しい支出であると確認されます。
    「内容もOK」という感じの最終連絡という感じです。

  8. 企業から請求

    文字どおり、精算払いの請求書という感じです。

  9. 企業への入金

    請求後に振り込まれます。予め、時期を確認しましょう。

少し身近な例ですが、PTAや町内会、老人会の地域の団体でも、同様の手順で補助金を申請し、運営を補完しています。初めて行うと面倒ですが、規模も煩雑さも異なりますが、古くから、人々がこなしてきた仕組みです。

ものづくり補助金の申請書で力をいれる 4 大ポイント

中小企業庁のサポートホームページ「ミラサポ」や「各都道府県の中小企業団体中央会」でも、「アドバイス」や「Q&A」がありますが、なかでも重要なポイントを紹介します。

1 ミスを防ぎ丁寧な記載を

  • チェックボックスで、チェックを入れ忘れていないか?
  • 内容のつじつまが合うか?
  • ざっくりした表現過ぎないか?

例 「設備導入にかかる経費 XX 万円」ではなく、機械ごとに記入する。
・要領の審査項目を確認する。

2 「革新性」を紹介するために、わかりやすい説明が重要
・「革新性」というと、大それたイメージですが、「自社になく、他社でも一般的ではない商品やサービス、生産方法」という解釈です。内部での比較ではなく、業界内の先進事例や地域の先進事例であることが求められます。他社と同一では該当になりません。革新性を相対的な視点でとらえしましょう。
・事業の説明では、現状のなんらかの課題があり、新事業をどんなふうに行うことで、課題が解消され、どんな目標を達成するか、というストーリーが、第三者が具体的に思い描ける説明を目指しましょう。
・事業の実現を説明するためには、漠然とした形にしないようにします。市場調査や他者の動向など、マーケティングをもとにアピールしてください。

3 早めの申請
申請は、早いほうが損にはなりません。

4 認定相談機関の活用で、採択に近づく
補助金や助成金を獲得するための「答え」は、すべて経済産業省の関連機関と協力機関の発信している情報のなかにあります。どれほど、傾向と対策を練っていても、はずれてしまうことがあります。世相や政府の対策に連動しているため、定期的に情報を受信できる関係機関のホームページや認定相談機関にもアドバイスをもらいましょう。

採択への「加点ポイント」の例 5 つ

します。計画に基づいて取得して機材によっては、の固定資産税の軽減などもあります。

1 賃上げ(給与総額増)等に取り組む企業
従業員給与の増加計画や増加の表明をしている場合は、要領を確認しましょう。

2 海外市場の新たな獲得を目指す企業
事業が海外展開や一層の市場開拓につながる場合は、確認しましょう。

3 「小規模型」に応募する小規模企業者
小規模型に応募する場合は、小規模事業者は加点されるので、該当しそうな事業は積極的に申請してみましょう。社内に申請に慣れた社員がいなくても、認定支援機関に相談してみましょう。
小規模事業者の定義は、「製造業その他」で従業員 20 人以下、「商業・サービス業」で従業員 5 人以下など、要領でよく確認してください。

小規模事業者

4 申請時に有効な「経営革新計画」の承認(または申請中)企業
経済産業省のホームページから様式をダウンロードして申請できる「経営革新計画」を提出
しましょう。数枚の様式です。
平成 28 年 3 月現在で、6 万 3 千件を超える企業が登録しています。ほかの加点ポイントは該当にならなくても、ぜひ行いたいですね。
申請先は各都道府県の商工担当部局(商工会、商工会議所、中小企業団体中央会等にも相談可)です。

5 一般型と第四次産業革命型は、「経営力向上計画」の承認(申請中)企業
「経営力向上計画」は人材育成やコスト管理などのマネジメント向上や設備投資などにより、 中小企業者等が生産性の向上計画です。実質 2 枚の計画書です。経済産業省のホーム
ページから様式をダウンロードして、業種ごとの担当省庁に提出

最新の情報と注意事項

最新の情報は、要領で確認しましょう。
最近では、経済産業省から、ごく一部の支援者に対し、の法外な価格でのコンサルティング料は注意が出ています。支援や指導を受けることが問題ではなく、過剰な価格はトラブルになります。有料でサポートを依頼する場合は、適正価格で対応してもらえる専門家をさがしましょう。

加点

困ったら頼りにすべきホームページ3つと認定機関で情報を整理
年度によって、実態に即したポイントがあります。
最新の情報をつかみましょう。

・経済産業省中小企業庁が開設している支援ポータルサイト「ミラサポ」
電子申請のみならず、「補助金虎の巻」という補助金のノウハウが紹介されています。
経済産業省中小企業庁担当者からの踏み込んだアドバイスが役立ちます。

・全国中小企業団体中央会・都道府県中小企業団体中央会
各都道府県の中小企業団体中央会を参考にしましょう。
ものづくり補助金の申請先でもあるので、心強いでしょう。

・認定相談機関
「ミラサポ」で検索できますが、気軽に相談し始めるのに最も適した存在です。
認定を受けています。革新性の切り口などの面で、相談してはどうでしょうか。

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