転職時の面接は何を着ればいい?

転職活動の悩みとして挙げられることの多い、面接時の服装。人の第一印象は初対面のほんの数秒で決まると言われているほど、最初の身だしなみによってイメージが大きく左右します。社会人として好印象を与える服装とは、一体どのようなものでしょうか?

たかが服装、されど服装。マナーを知らずにいると、採用担当者の評価を下げてしまう可能性もあります。そう、面接における服装選びは最重要課題なのです。気をつけるべきことや、迷ったときの判断基準などを交えつつ、押さえておきたい身だしなみのポイントをまとめて見ていきたいと思います。

会社の雰囲気に合っていればOK!

業界や職種によって多少の基準は異なるものの、転職時の面接で着る服装には、コレといった決まりはありません。ビジネスシーンであることを踏まえて、志望する会社の雰囲気に合わせて選ぶといいでしょう。

アパレル関係やIT業界、外資系などの企業であれば、オフィスカジュアルでも問題ありません。とくにセンスが問われるような業界であれば、その会社のテイストに合わせてスタイリングするようにしましょう。

それに対して、金融関係や医療系、公務員、メーカーなど堅いイメージが強い業界では、黒やグレーといったオーソドックスな色味のスーツが好まれます。

また働きながら転職活動をする場合は、現職の仕事の服装で面接に行かねばならないときもあります。そのときは、先方に仕事場から直接向かうことを前もって連絡しておくといいですね。

相手に印象づけたい自分を演出する

面接は自分を売り込むプレゼンの場でもあります。印象づけたい自分を演出することにより、入社後の生き生きと働く姿を想像してもらいやすくなるのです。

女性の場合、パンツスタイルは避けた方がいいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、けしてそんなことはありません。アクティブで快活な印象を与えることができるパンツスタイルは、営業職などあちこち動き回るような職種にピッタリです。キャリアアップを目指している場合も、スマートな雰囲気を醸し出すことができます。

事務や受付といった、女性らしさが求められる職種には、とくにスカートがオススメ。女性がもつ優しいムードと華やかさを演出することができます。また年配の人の中には、女性はスカートを着用するもの、という考え方を持つ人がいます。そのため、役員面接ではスカートを選んだ方が好印象で有利になるとも言えます。

迷ったときは上下スーツで決まり!

スーツはマナー違反になる危険性もなく、先方に対して失礼にあたることもありません。迷ったときは上下スーツを選べば間違いないでしょう。

ただし同じスーツでも、社会人経験者の即戦力を求める中途採用において、リクルートスーツは不向きです。20代前半であればフレッシュに着こなすことも可能でしょうが、ある程度の年齢を重ねた人が着ると、年齢不相応の頼りない印象を与えかねません。仕方なくリクルートスーツで臨む場合はインナーをカットソーにするなど、変化をつけて着こなしましょう

転職活動のモチベーションを上げるためにも、面接用に新しいスーツを用意するのがベストです。背筋がグッと伸びて自信アップにも繋がるので、思い切って新調するのもオススメ。

気をつけるべき3つのポイント

採用担当者は細かいところまでじっくりチェックしています。服装で損しないためにも、頭のてっぺんからつま先に至るまで、細心の注意を払わなければなりません。

面接で見られている主なポイントは3つ。身だしなみの注意点をしっかり把握して、面接対策しておきましょう。

清潔感は誠実さの現れ

見た目に清潔感があることは非常に大切です。服のシワやストッキングの伝線、シャツの襟や袖口のシミ、靴の汚れなどがあると、どんなに中身が良くても魅力は半減以下になります。だらしない人と思われては全てが台無し。この人と一緒に働きたい、と思わせなければならないのです。

服装以外にも、髪型も注意が必要。ロングヘアーはまとめて、髪が顔にかからないようにしましょう。前髪も目が隠れてしまうと表情が分かりにくくなり、暗い印象になるのでピンで止めておきます。耳を出してサイドをすっきりさせると、さらに印象が良くなります。

清潔感は、誠実さを印象づけるには打って付け。この点をまず押さえておけば、外見による減点を心配する必要もありません。清潔感を味方につけて面接を有利に進めていきましょう。

ジャストサイズで勝ちに行く

次に気をつけたいのが、服装のサイズ感です。大きすぎても小さすぎても格好悪くなるので、必ず自分の体形に合ったものをチョイスしてください。しばらく着ていないのであれば事前の試着は必須。間違っても当日に気付くことがないように!

スカートを着用するときは、立ったときにヒザが少し隠れるくらいの長さがベストです。パンツの場合はパンプスを履いたときに、裾がヒールに少しかかるくらいの長さだとシルエットがキレイに見えます。長すぎると野暮ったくなるので、実際面接のときに合わせるパンプスを履いて裾上げしましょう。

イスに座ったときの印象もチェックしておきます。手をヒザの上に置いたときに袖が長すぎないか、生地にたるみや引きつった感じがないか確認しておくといいですね。

悪目立ちは禁物

派手な身なりよりも、地味でいる方が好印象になりやすいです。ノーメイクは顔色が悪く見えるのでNGですが、アイメイクやチークで強調しすぎたメイクはもっとNG。良かれと思ったしっかりメイクも、面接では逆効果になる可能性が高くなります。シンプルを心がけてお化粧しましょう。

もちろんネイルも要注意。ピンクやベージュなどナチュラルな色味であれば問題ありませんが、過剰なネイルアートは悪目立ちするだけです。アクセサリーは業界によっても異なりますが、金融機関などのお堅い職業ではマナー違反になりかねません。ただし結婚指輪は例外となるので、つけていても大丈夫です。

そして意外と見られているのが、カバンや靴。これらの小物の選び方で、その人の性格が分かるとも言われています。明らかにブランド物と分かるもの、カラフルな色、A4サイズの書類が入らない小さなバッグなどは不適切と見なされます。

困った!こんなときどうする?

基本的マナーは理解できても、シチュエーションによってどうしたらいいか判断に困ることはあります。そんな面接時に直面しやすい、服装に関する疑問の解決策をまとめてみました。

私服面接のとき

広告業界やアパレル関係に多いのが、私服面接。「服装は自由です」と言われたときはスーツでも構いません。しかし「スーツ以外で」や「私服でお越しください」と指示がある場合は、スーツを着用してはいけないと判断しなければなりません。

企業側が私服面接をする意図は、普段着でのビジネスマナーや、社風に合うかなどをチェックするためです。それゆえデニムやTシャツ、サンダルなどはダメ。そこで働いている社員よりもラフな服装はいけません。私服とはいえ、最低限ジャケットは羽織っておきたいところです。

その会社の雰囲気に合わせるのが第一条件となりますが、オフィスカジュアルを選んでおけば基本的に心配ないでしょう。ビジネスシーンに適した服装であるか、を基準にしてみるといいですね。

面接が複数回あるとき

中途採用の面接は平均2回。通常は複数回行われるものです。毎回服装を変えないといけないのでは?と不安に思うかもしれませんが、いつも同じスーツを着ているからといってマイナス評価には繋がりません

着回しに変化をつけたい場合は、インナーを変えてみてはいかがでしょうか。ちょっとしたことですが、ブラウスからカットソーにするだけでも、雰囲気や気分が変わるのでオススメです。

アパレル業界であれば毎回の服装を変えるのも一つの手段ですが、服装ばかりに気を取られてしまわないように気をつけましょう。肝心なのは清潔感。クリーニングやアイロンできちんと整えて、ピシっとした服装で臨んでください。

寒い冬の防寒対策

冬の面接も服装に悩みますよね。マフラーや手袋などはカバンに入れてしまえば面接官の目に触れませんが、コートや上着はそうもいきません。手に持って移動することを考えて、落ち着いた色味のコートを選ぶようにします。

ブーツやファーなどの飾りがついたものも、フォーマルな場面にふさわしくありません。雪や雨によりめパンプスで移動するのが困難なときは、途中でブーツからパンプスに履き替えるといいでしょう。袋に入れて持ち運ぶか、最寄の駅でロッカーに預けます。

いくら寒いからといって、タイツもNG。パンツスーツであっても足元は見られているので、油断してはいけません。ベージュのストッキングは面接のマストアイテムなのです。肌色の厚手のストッキング、またはストッキングを2枚重ねするなどして寒さ対策してください。

服装は魅力を引き出すツール

さあこれで面接はバッチリ!と思っても、必ず鏡で自分の姿をチェックしておきましょう。できれば大きな姿見があるといいですね。面接官になったつもりで鏡を見てみると、意外な発見があるものです。第三者の目線で冷静に最終チェックしてもらうのも一つの方法。

面接の服装マナーは難しいように思えるかもしれませんが、ビジネスの場であることを念頭に入れておけば何も心配することはありません。面接官の立場になって考えてみれば、何がNGで何がOKかジャッジできるものです。

服装に自信がもてるようになると、無意識のうちに姿勢が良くなり、表情も明るくなります。自然にこぼれた笑顔は何より強い武器となるでしょう。身だしなみはエチケットであり、自分を輝かせてくれる一つの要素です。

面接とは、自分という商品をアピールすること。あなたの魅力を最大限に引き出してくれる服装を選んで、転職活動をスムーズに成功させましょう。

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